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wabi

Author:wabi


治療の一環として始めた海岸散策。
そこで知り合った海岸猫たちと交流を
深めるうちに彼らの魅力に心惹かれて
2009年10月に旧ブログを開設。
そして2015年9月に当ブログを新設。

★プロフィール写真は元海岸猫の愛猫

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逆境にもめげず健気に そして懸命に
生きぬいている野良猫たちの哀切物語

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2010年1月23日
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名古屋市緑区姥子山鳴海グランドで
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病魔 (中編)

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私には今以上の猫を飼えない事情がいくつかある。

親しくないひとには表向きの理由として、住居が狭いからとか赤貧にあえいでいるからだと答えている。

たしかにそれらも事実なのだが、最大の原因は数年前に旧ブログでカミングアウトしたように私が厄介な持病をかかえているからだ


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9年前、心療内科の医師に「あなたはうつ病です」と診断をくだされ、じっさいに酷い副作用をひき起こすことで悪名高い 『SSRI』 という抗うつ剤を服用しつづけている。

が、私自身はこの医師の見立てを真にうけず、たまたま長期にわたって抑うつ状態や睡眠障害がつづいているだけ、と思うようにした。

しかし現実的には好不調の波がおおきくて、同居している元海岸猫の愛猫の世話をふくめて、いっさいがっさいを放擲したい衝動にしばしば駆られる。


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だから、たとえリンエリアのボランティアさんとのあいだに軋轢が生じるのを承知でリンを病院に連れていったとしても、通院の必要に迫られた場合、私はリンをあずかることができないのだ。

とはいえ、リンを現状のままにしておいて病院通いのたびに捕獲とリリースをくり返すのは無理だし、彼女自身にも多大なストレスを与えるはず。

けれど病身のリンをこのまま手をこまねいてただ見ているというのも、私にとっては苦行である。

このように私にできることは無いに等しいが、それでも妥協点を模索し、ある方法を選択した。


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昨夜リンがもぐり込んだ別の猫ハウスは入口以外は密閉されていたので抱くこともできなかったのだが、このハウスは上部の蓋が開閉可能なタイプだ。

そこで私はいささか強引な手段をもちいた。

ハウスの蓋をすこし開け、その隙間から手を入れてリンを抱きあげると、膝の上に乗せたのだ。

そして、持参してきたあるものをポケットから取りだした。


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それは愛猫にも与えている 『バチリオン (アモキシシリン)』 という抗生剤だ。

猫に錠剤を投与する方法はいくつかあると思うが、私のやり方を以下に記しておく。

まず顔を上に向け首を反らせる⇒親指と人差し指で顎の関節部分を両側からおして口を開ける⇒薬を口腔内に押しこむ⇒すぐに両手を使って口を閉じる⇒のどの部分を撫でて嚥下をうながす、という手順を踏む。


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従順な我が家の愛猫でさえ口を開けるさいにはあらがうのに、リンはまったく、毛ほども抵抗せず、ただ錠剤を呑みこむときに眼をすこし見ひらいただけだった

私はリンに引っかかれるか、最悪の場合は咬みつかれるかもしれないと覚悟をきめていたので、あまりにあっけない顛末に拍子抜けする。

そのあともリンは私の膝の上におとなしく抱かれていた。まるで生まれたての赤ん坊のように。


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しばらくしてリンを地面におろすと、彼女はゆっくりとした歩調でエサ場へ向かう。


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そしてさっきまで身体を横たえていた、何本もの傘で囲われた猫ハウスのなかに入っていった。

私はその後ろ姿を見送りながら、やまいに冒されているリンの身体が薬の効用で快方にむかってほしいと心から願う。


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サキはどうしただろうと思ってあたりを捜したら、別の区画の防砂林にいるのを発見した。


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私をちらりとかえりみただけで、サキはそのまま防砂林の奥へと進んでいく。


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いつもそばにいるリンがいないからか、サキの後ろ姿が心なしか寂しそうに感じられる。

その様子を紋切り型の表現をもちいれば “所在なげにとぼとぼ歩いてゆく” といったところだ。


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いずれにしろまだ若いサキだから、本来は動きの質がもっとはつらつとしていたはず、だからやはり母の容態が気がかりなのだろう、と私は思った。

そうしたところ‥‥。


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サキはそばの松の木に前足をかけると、一気に駆け登った。

そして、幹がおおきく曲がっているところからひょっこりと顔をだした。


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強い海風のせいで歪んでしまった松の木、この木は斜めにかしいで登りやすいからサキが気に入っているようで、以前にもおなじ場所でくつろいでいる姿をいくどか目撃している。

海岸猫にとって、フェンスの胴縁はキャットウォークであり、松の木はキャットタワーなのだ。


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さて私は 『アニマルコミュニケーター』 ではないし、ましてや 『ナカタさん』※〔1〕 のような特殊能力をもっているわけではないので、猫の心情を正確に読みとることはできない。

ただ、猫とかかわっているひとなら同意してもらえると思うが、あるていど猫のことを理解してくると、おおざっぱな感情の変化くらいなら分かるようになる。


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眼の前の猫が喜びを感じているのか、それとも怖れや怒りを覚えているのかは、耳のかたち、瞳孔の開きぐあい、しっぽの形状などを注意ぶかく観察すれば、推しはかることが可能だ。

さらに、ざっくりと猫が緊張しているのかリラックスしているのかを見分けたいのなら、そのときの体勢を見ればいい。


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ここまでサキのことを「病気の母のことが気にかかって寂しそう」といったふうに、あたかも彼女の心理を把握しているかのようにのべているが‥‥。

これもリンが元気なころとくらべて、今のサキの表情や行動から活力や血気が減じているように、私の眼に映っているからだ。


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サキは、2015年春、リン5回目の出産のさいに生まれた3にんのうちのひとりだ。

ほかのきょうだいたちは、縁あってそれぞれ別の里親さんに引きとられていった。


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そしてサキ自身も2016年春に5にんの子どもを産んだが、市民団体 『湘南猫33』 の方たちの尽力で、すべての子が里親さんに譲渡され、いまは家猫としてしあわせに暮らしている。

ということはつまり‥‥。


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これでもしも‥‥母のリンまでいなくなったら、サキは独りぼっちになってしまうのだ。


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だからサキのためにもリンにはなんとしても病魔を打ち負かし、もとの元気な身体を取り戻してもらわなければならない。

そうしてこれからも母親として、野良猫のロールモデルとして、サキをみちびき見守ってやってほしい、と私は願っている。


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「サキ、お母さんは今、生きようとして懸命に病気と闘っている。だからお前も‥‥」

が、サキの瞳に見つめられたら、そのあとの言葉がつづかなくなった。


* * *


その翌日‥‥、つまりリンの変調を知らされてから3日目。

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リンはエサ場がある防砂林近くに捨てられているベニヤ板の上に端座している。

顔付きは私が見るかぎり、しっかりしているように感じられた。


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少し離れたところでは、松田さんと私も面識のある女性とが立ち話のまっ最中である。

私の耳にもれ聞こえてくる断片的な内容から推すと、リンが体調をくずしてからこの日までの経過を松田さんが女性にこと細かく説明しているようだ。


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自分のことが話題になっているからか、リンはときおり女性ふたりに目はやるものの、行儀よく座ったままでいる。


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松田さんと若い女性が防砂林から立ち去ると、リンはいびつな形をした松の木にゆっくりよじ登り、そこにうずくまった。

その松の木は、まるで海岸猫にくつろいでほしいからそうなったかのように絶妙な曲線をえがいた形状をしている。


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西に傾きかけた陽の光が心地いいのだろうか、リンは前方を見つめたままじっとしている。

もしかしたら、こうすることによってやまいからの回復をこころみているのかもしれない。


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7年前にホームレスのテント小屋で生まれたリンは2歳まで “家猫” 状態だったが、そのひとが海岸から出ていくさいに、ランやほかの眷族ともども防砂林に置き去りにされた。

その後も何人かのホームレスの世話を受けながら19にんもの子どもを産んだリン。


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しかしやがてその人たちも次つぎと海岸から去っていき、リンはそのたびに子どもたちを連れて防砂林を放浪した。

そして、2年ほど前から現在のエリアに住みつくようになる。

とどのつまり、リンのこれまでの半生はニンゲンの都合に翻弄されてきたと言っても過言ではない。


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そんな目にあわされても、リンはニンゲンを恨んだり憎んだりせず、常に変わらない親愛の情をしめしつづけてくれる。


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撮影するために私が周囲を歩きまわっても、まるで置物にでもなったかのようにリンは身じろぎひとつしなくなった。

睡魔に襲われているのだろうか、それともやはり身体を動かすのがつらいのだろうか‥‥?


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私は両手でリンをそっと抱きかかえて近くにあった切り株に腰をおろし、膝の上に彼女を乗せ、用意してあった抗生剤をおもむろに取りだすと、前日と同様のやり方でリンに投与した。

今回もリンはまったく抵抗しないで素直に薬を飲んでくれた。

リンは私のすることを露ほども疑わず、完全に信頼してくれているようだ。


そのときだった、雷に打たれたように、私は直観した。


「そうか、リンは分かっているのか‥‥! 」

( このヒトはワタシの苦しみを軽くしてくれるタメにこんなことをしているんだわ ) と本能で感じているのだ。

「リン‥‥」私はリンを真情を知って、危うく落涙しそうになった。


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私はそれから、リンを抱いたままエサ場へ連れていった。

きのうよりは行動範囲がすこし広がったようだが、以前の活動的なリンを知っている私から見れば本来の調子にはまだまだ遠い。


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ただ、体温は前日よりは下っているようだ。

リンに投与しているバチリオンは即効性の高い抗生剤で、服用後数時間で効果があらわれるといわれているので、そのために発熱がおさまったのかもしれない。


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さっき松田さんと会ったおりに、前日からリンに抗生剤を飲ませていることを伝えた。

加えて間隔をあけずに服用したほうが効果が期待できるから、松田さんがリンたちに食事を与えるために海岸にくる早朝にも投薬してほしいと、バチリオンを手渡しながらお願いした。


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すると松田さんは「wabiさんのようなやり方はできないから、錠剤を細かくしてエサに混ぜてみるわ」と快諾してくれた。


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「リン、私がお前のためにできることは、こうして毎日様子を見にきて、薬を与えるだけだ」

「本来ならうちに引きとって治療を受けさせてやるべきなのに、それができなくて済まないと思っている」


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これまで信頼していたニンゲンに何べんも見捨てられてきたリン、今度も半ばおなじ目にあっているといってもいい。

それでもニンゲンを信じつづけているリン自身は、今回も怨嗟の声をあげないだろうが、もしそうされたら、私には返す言葉がない。


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写真では明るく見えているけれど、実際は夕闇が防砂林のなかを支配しつつある。

さっきからひとところに留まりつづけているリン、彼女はもう、エサ場から離れる気がないようだ。

やがて猫ハウスにもぐり込み、今夜も自身の生命力と病魔とのせめぎ合いがおこなわれる。


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野良猫にかぎらず、ニンゲンの身勝手と我欲のために塗炭の苦しみをなめている多くの動物の声なき声に、我々が耳を貸す日は、はたしてやってくるのだろうか。

それともこのまま人類の繁栄だけを優先し、ほかの生き物を絶滅させ、そして自然を破壊しつづけるのだろうか。

“ ニンゲンも自然の一部 ” という事実を忘失したまま‥‥。



〈つづく〉



脚注
※〔1〕村上春樹の小説 『海辺のカフカ』 に登場する猫と話せる老人。



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Comment

こんばんは

リンちゃん、元気になりますように。

調子が悪い時、じっとしているのでしょうね。

心配ですね。

No title

りんちゃん頑張れ!!

Miyuさんへ

今はじっと

これまで厳しい環境を逞しく生き抜いてきたリンですから、
体が不調になったときの対応も心得ているのでしょう。

「とにかく今はじっとしていよう」と考えているようです。

saraさんへ

外で暮らす子

リンへの励ましのお言葉、ありがとうございます。

外で暮らす子が病気になったり怪我をしたときの
対処はやはりむずかしいですね。

おはようございます

りんちゃん
その後どうですか?

りんちゃんと話が出来たらいいな
今日はりんちゃんどう?
りんちゃん痛いとこあるの?
何が食べたい
人間にいじめられてない?
そして、どうしたい?って

りんちゃんと話しはできないけれど
wabiさんや 松田さんの優しい気持ちは伝わっていますよね
その優しさを感じれた事だけでも
りんちゃんにとっては良かったですよね
誰にも優しくされず亡くなっていく子も沢山いると思います
何も幸せを感じる事もなく生きている子の事を考えると
なんとかしたいと思うだけの自分がいます・・・

wabiさん
きっとりんちゃんはありがとうんにゃーって
思っていますよ
きっと((._.)

リンちゃん

リンちゃんその後どうですか
元気になって、さきちゃんやwabiさん達を
安心させてね
wabiさんも元気になってくださいね

mesudanukiさんへ

体調を整えて

ここ数日私の体調が悪くてパソコンへ向かう時間が取れず、
コメントの承認および回答が遅れたことをまずお詫びします。

そういう状態ですので次回の更新記事も途中でとまったままなのです。
ただ今回の記事にも書いたようにリンに回復の兆しは見えています。

なんとか体調を整えて記事のつづきを書けるよう努めますから
しばらくお待ちください。

私へのお気遣い、ありがとございます。
非公開コメント



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