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wabi

Author:wabi


治療の一環として始めた海岸散策。
そこで知り合った海岸猫たちと交流を
深めるうちに彼らの魅力に心惹かれて
2009年10月に旧ブログを開設。
そして2015年9月に当ブログを新設。

★プロフィール写真は元海岸猫の愛猫

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逆境にもめげず健気に そして懸命に
生きぬいている野良猫たちの哀切物語

「海岸猫」とは海岸で暮らす野良猫

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好奇心 (後編 3)

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ホイールローダーのエンジンルームにもぐり込んだサキ。

リンは散歩中の小型犬に恐れをなして防砂林のなかへ逃げ去ってしまったので、私はその場にとどまることにした。


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サキがホイールローダーのエンジンルームにもぐり込んでから数分が経った。

ここに至って私はサキのことを本気で心配しはじめていた。

入ったはいいが、そこから外に出られなくなったのではと思って。


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床部分のわずかな隙間からは相変わらずサキの身体の一部が見え隠れしている。

興味にかられてエンジンルームを探索しているのか、それともそこから抜け出す手段を懸命に模索しているのか、私には判断がつかない。


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「おいサキ、大丈夫か? 」と言いながら私は試しに運転席の床を手のひらで叩いてみたが、ホイールローダー相手では日産自動車が提唱している『#猫バンバン』のようにはいかない。

トントンという小さく乾いた音がするだけで、これではなんの効果もないだろう。


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というわけで、私はなす術もなくひきつづきホイールローダーのそばでたたずんでいるしかなかった。


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私が何気なくあたりに視線をめぐらせると、道路端でぽつねんとしているリンの姿を発見した。

リンは比較的安全な防砂林のなかから人目につく道路にあえて戻ってきたのだ。

「いったい何のために‥‥?」


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そしてホイールローダーを凝視しながら、リンはゆっくりと一歩を踏みだした。

リンは明らかにためらい葛藤している。このままホイールローダーに近づいていいものか、と。


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やがて心を定めたのか、ゆっくりと慎重な足どりではあるが、リンはホイールローダーへ向かって歩を進めはじめた。


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それからリンはホイールローダーの下へもぐり込むと、厳しい表情でうずくまった。

リンはなぜ、多くのニンゲンと苦手とする犬も往来する道路をとおってまで引き返してきたのだろう?

ホイールローダーへの興味を捨てきれずに、それでまた戻ってきたのだろうか?


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ホイールローダーを見あげるリンの表情はなにかなし不安げに私の目には映る。

その様子からリン自身のホイールローダーへの関心はあらかた消え失せているように感じた。


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「そうか‥‥」このとき、リンがふたたびここへ戻ってきた訳を私はようやく理解した。

リンはなかなか防砂林へ帰ってこない娘のサキのことが気がかりで、それで危険をかえりみず引き返してきたのだ、と。


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しかし母の心配をよそに、サキはエンジンルームからいっこうに出てこようとしない。

だが鳴き声もあげず、あせった様子もみられないことから、どうやらサキはエンジンルームに閉じ込められた訳ではなさそうだ。


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待つのにしびれを切らしたのか、やがてリンはやおら腰をあげると、サキがこもっているエンジン部分の真下までやってきた。


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そして先刻と同じようにエンジンルームに頭を突っこんだ。

だがリンがサキの姿を認めたのかどうか、私の位置からは分からない。


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そうしてしばらくエンジンルームをのぞいていたリンだったが、あたふたとその場から離れた。


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するとそのとき、私の視界の片隅、足元のあたりを小さな影が駆け抜けていった。

急いで振りかえると、それはサキだった。


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リンがエンジンルームから出てくるようにうながし、それにサキがしたがったのか、それともただ何かに驚いただけなのか知る由もないが、いずれにしろサキの姿を確認できて私は安堵した。

やはりサキはホイールローダーから出られなくて当惑したり恐慌をきたしていたわけではなかったのだ。


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一方ひとりホイールローダーに残されたリンは身じろぎせずに険しい面持ちで何かを見つめはじめる。

だがその視線が注がれているのは娘ではなく、道路のずっと先の方だ。


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身体の位置をかえて更に真剣な眼差しで前方を凝視するリン。


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やがてリンはおもむろに身をひるがえし、そして‥‥。


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ホイールローダーの車体の下から飛び出ると、いきなり走りはじめる。


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その反応からあえて確かめる必要もないのだが、ふり返ってみると案の定、散歩中の犬がこちらに向かってきていた。


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先ほどのシーンを再現するように、リンは防砂柵の上へ一気にかけあがった。


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「お前はよほど犬が苦手なようだが、過去に嫌な目にあったことでもあるのか? 」と私は訊いてみた。


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しかしリンは柵の上からあたりを眺めるばかりで、私の問いかけにはいっさい答えてくれない。

ただ気丈夫なリンがここまで忌避するのだから、やはり犬に関してはよほど怖い目にあったと推測するしかない。


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それでも引き返してきたところをみると、娘のサキがやはり心配だったのだろう。

リンとサキがことさら仲のいい母娘であることを差し引いても、猫にもニンゲンと同じように親子の情がある、と私は思っている。

猫は情が薄い動物などと巷間言われているが、その認識は我々の一方的で皮相的な思いこみだと私は信じて疑わない。


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ひとしきり周囲を見まわしていたリンだったが、柵の上で器用に身体を反転させると防砂林のなかへ入っていった。


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それから2、3分経っただろうか、リンもサキもいなくなったので私も防砂林へ戻ることにした。

と、そのときだった。


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さっきは砂浜にいたはずのサキがリンと入れ替わるかたちで柵の上にひょっこりと姿をあらわしたのは。


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彼女が視線を注いでいるのはホイールローダーだ。

サキはまだホイールローダーに興味を示しているのだろうか‥‥?


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やがてサキは視線をあげると、今度は眼前にひろがる太平洋を眺めはじめる。

猫にとってはただの “大きな水溜り” であるはずの海を‥‥。


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そしてつぎにサキは陽が沈んだばかりの西の空を見つめはじめた。


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ひとしきり海を見渡し、それから朱に染まる西の空を見やる、まるで海岸に来た多くのニンゲンが風景を眺める過程をなぞっているかのようだ。


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野良猫の母から生まれ野良猫として育ったサキ。

だからここから眺望できる範囲がサキの “全世界” である。


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とはいっても、サキが実際に行動するのはエサ場を中心とした半径200メートルほどの領域に限られている。

そんなサキが海岸から離れたのは避妊手術をうけるために動物病院へ搬送されたただその1回きりだ。


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同じ日に生まれたふたりのきょうだいたちは里親さんに保護され海岸から去ったと聞いている。

ボランティアさんたちのお陰もあってすっかり穏やかで人懐こくなったサキだから、彼女だって家猫になれる資質は十分にある、と私は思っている。


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サキは何かを発見したようにいきなり目を見開いた。


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そしてつぎの瞬間、慌てふためいた様子で柵から駆け下りる。


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道路に降り立ったサキはゆっくりとした足どりで歩いていく。

その先には、やはりこちらに向かって緩やかな歩調で近づいてくるリンの姿があった。


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サキはやがて甘えた鳴き声をあげはじめる。

それは迷子になったニンゲンの子供が母親の姿をみつけて甘え泣きをしながら駆け寄っていくさまを彷彿とさせる。


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サキはなおも哀しげで甘えた鳴き声を発しながらリンに近づいていく。

いったいどういう訳なんだろう、ふたりは防砂林のなかで会っていなかったということなのか?


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リンとサキの様子からは久しく会っていなかった母娘が再会を喜んでいる雰囲気が伝わってくる。

もしかしたらふたりはサキがホイールローダーのエンジンルームにもぐり込んで以来顔を合わせていなかったのかもしれない。

その可能性は十分にありえる。


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リンは散歩中の犬の接近に気をとられサキがホイールローダーから出てきたことを知らず、またサキはリンが防砂林に戻ったことに気づかず、すれ違うかたちでふたたび道路に戻ってきたのではないだろうか。

そう考えると感動の再会シーンも納得できる。


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なんにせよ、リンとサキの身に何ごとも起こらなくて良かった。

私は猫が好奇心の強い動物だということを再認識するとともに、リンとサキには野良猫という境遇を自覚して人目につく行動を極力ひかえてほしいと切に願っている。


ちなみにイギリスにはこういう諺がある。

『好奇心は猫を殺す』。

とはいっても当然のことながら、この諺は猫に対する箴言ではなく、あくまでも我々ニンゲンへの戒めの言葉である。

ただイギリスの伝承を知らないと、この諺の本当の意味を日本人は理解できない。

イギリスでは古来から猫は容易に死なない生き物とされ、『猫は九生あり(猫は九つの命を持つ)』などと言われている。

つまりそんな猫でさえ好奇心のかられるままに行動すれば命を落としかねないのだから、ニンゲンならなおのこと剣呑だと苦言を呈しているのだ。

皆さまも好奇心に誘われるまま無闇やたらにどこへでも首を突っこんでいては、いずれ予想もしない危殆に瀕することもありえるので、くれぐれも自制していただきたい。



〈了〉



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Comment

No title

おひさしぶりです。

サキちゃんがホイールローダーから出てきてくれて安心しました^^
あのままだったら、オペレーターが猫の存在を知らずに、エンジンをかけたことでしょう。

シシマルエリアの猫たちのような事故は、もう二度と見たくありません。

wabiさんにはご苦労かけますが、これからもリン親子を見守ってくださいね。

ケンさんへ

本気で心配

ネットが不調でお返事がおそくなり申し訳ありませんでした。

さて、実際にサキがホイールローダーから出てこないときには
本気で心配してしまいました。
猫は勢いで高いところに登って下りられなくなったり、
狭いところから出られなくなったりと、意外とドジなところがありますから。

リンもサキのことを心配して戻ってきたようです。
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